【就活向け】IT業界の今後の市場動向と現状課題|将来性は?未来がない?トレンド解説
IT業界は常に変化し続けており、今後の動向を把握することはキャリア形成において重要です。
IT業界に進むかどうかを判断するうえでも必要ですし、面接対策でも必要です。
面接で「IT業界は成長産業だから」みたいな回答や「IT業界のトレンドをは?」と聞かれた時に答えられないような状況は避けてください。
就活迷子にならないために、IT業界の2025年の最新動向をまるっと紹介します。
本記事では、IT業界の現状の課題と今後の展望、注目のトレンド、重要視すべきポイント、失敗しない方法について詳しく解説します。
新卒こそ将来性・需要の高いIT業界へ
結論から言えば、新卒こそIT業界に進むべきであると言いたいです。実際に、私の意見だけではなく、数字的にも関心度が高いことがわかります。
IT業界を目指す学生は全体の30%
近年、IT業界は目覚ましい成長を遂げており、将来性と需要の高さから、多くの学生が就職先としてIT業界を志望しています。
新卒でIT業界を目指す学生は全体の約30%にのぼり、人気ぶりを物語っています。
順位 | 業界 | 学生の検討割合 |
---|---|---|
1位 | ソフトウエア・情報処理・ネット関連 | 30.6% |
2位 | 食品・農林・水産 | 24.7% |
3位 | 銀行・証券 | 19.9% |
4位 | 広告・芸能 | 17.4% |
5位 | 放送・新聞・出版 | 16.7% |
IT業界が現代社会において不可欠な存在となっていることを示しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
IT業界は、技術革新のスピードが非常に速く、常に新しい技術やサービスが生まれています。そのため、常に学び続ける意欲と柔軟な思考が必要です。
しかし、得られるスキルや経験は非常に価値が高く、キャリアアップのチャンスも豊富です。IT業界への就職は、将来のキャリアを考える上で非常に有力な選択肢と言えるでしょう。
転職のチャンスは27歳までが限界
一般的に、IT業界への転職は25までが有利と言われています。27歳を過ぎると未経験からの転職は一気に難化します。
もちろん、30代以上でもIT業界への転職は不可能ではないですが、より高度なスキルや経験が必要です。(インフラ資格や開発経験が必要)
20代のうちにIT業界でのキャリアをスタートさせることができれば、その後のキャリアアップの選択肢も大きく広がります。
若いうちからIT業界で実務経験を積み、市場価値の高い人材となることで、より良い条件での転職や独立も可能になります。
IT業界からほかの業界は難しくないが、ほかの業界からIT業界に行くのは難しいのが現実にゃ!
IT業界の現状課題と今後の市場動向
IT業界に進むべき理由がなんとなく見えてきたと思いますが、ここからはIT業界の現状と今後について重要な項目を5つピックアップしています。
- DX推進と市場規模の拡大
- IT人材不足と市場価値の高騰
- IT業界の課題は構造的ヒエラルキー
- 成長分野はSI業界とITインフラ
- Web業界は人材充足で未来がない
DX推進と市場規模の拡大
近年、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されており、その影響はIT業界にも大きく及んでいます。
企業は、業務効率化や新たなビジネスモデルの創出のためにIT技術を積極的に導入しており、IT市場は急速に拡大しています。
DX推進の動きは今後も加速すると予想され、IT業界の成長をさらに後押ししている状況です。
DXの推進により、企業はこれまで以上にITに依存するようになり、それによってIT関連の需要はますます高まっています。
IT業界は大きなビジネスチャンスであり、今後も市場規模は拡大していくと見込まれます。
IT業界は、社会全体のデジタル化を支える重要な役割を担っており、その責任と期待は大きいといえるでしょう。
IT人材不足と市場価値の高騰
IT市場の拡大に伴い、IT人材の需要は急速に高まっていますが、IT人材の供給は追いついておらず、深刻な人材不足に陥っています。
人材不足により、ITエンジニアの市場価値を高騰させており、優秀な人材の獲得競争が激化しています。
実際に、レポート上で見ると1人あたりに7社の求人が存在している状況です。(転職市場)
企業は人材不足を解消するために、高い給与や福利厚生で優秀な人材を呼び込もうとしています。
IT人材の市場価値は今後も高まっていくと予想され、ITエンジニアを目指す人々にとっては追い風といえる状況です。
IT業界の課題は構造的ヒエラルキー
IT業界には、構造的なヒエラルキーが存在するという課題もあります。
特に、多重下請け構造が一般的であり、技術者が下請け、孫請けへと搾取されるという問題が指摘されています。
IT業界の多重下請け構造は、技術者のモチベーション低下や離職、スキルが身に付かない状況につながる要因となっており、業界全体の健全な発展を妨げている問題です。
また、IT業界は技術の進歩が非常に速いため、常に新しい技術を学び続ける必要があります。
そのため、企業は技術者のスキルアップを支援する制度を整備し、構造的な問題を解決していく必要性があります。
成長分野はSI業界とITインフラ
IT業界の中でも、特に成長が期待される分野は、SIer(システムインテグレーター)業界とITインフラ関連です。
SIerは、企業のシステム構築や運用を担っており、DX推進の流れの中でますます需要が高まっています。
後述しますが、クラウドコンピューティングの普及に伴い、ITインフラの構築や運用を専門とする人材のニーズも増加しています。
これらの分野は、今後も成長が期待できるため、IT業界を目指す上で注目すべき分野です。実際に、コロナ禍においてもITインフラの領域は大きく成長しています。
キャリアアップを考える上で、SIer業界とITインフラ分野は有望な選択肢と言えます。
Web業界は人材充足で未来がない
かつては高い人気を誇ったWeb業界ですが、近年は人材が充足しつつあり、以前ほどの成長は見られなくなってきました。
Webサイト制作やWebデザインなどの分野は、ある程度スキルを習得しやすいこともあり、競争が激化しています。
そのため、Web業界でのキャリアアップは、以前よりも難しくなっています。Web業界で働くことを希望する場合は、差別化できる高度なスキルを身につけることが重要です。
Web業界の市場規模は、依然として大きいものの、成長の鈍化は否めません。
特に、デザインやコーディングなど、ある程度パターン化できる業務は、AIに代替される可能性も指摘されています。
Web業界で生き残るためには、デザインやコーディングだけでなく、マーケティングやコンテンツ制作など、より高度で複合的なスキルを身につけることが必要です。
注目すべき今後のITトレンド5選
IT業界の現状の課題と今後の動向を見てきましたが、特に業界的なインパクトの大きいITトレンドを5つピックアップしました。
今後のIT業界はこれらを中心に回っていく可能性が高いです。
- AI・機械学習・ビックデータ
- クラウドコンピューティング
- サイバーセキュリティ
- ブロックチェーン・メタバース
- 量子コンピューター
AI・機械学習・ビックデータ
AI(人工知能)、機械学習、ビッグデータは、現代社会において不可欠な技術となりつつあります。
特に、AIは、自動運転や画像認識、自然言語処理など、幅広い分野で実用化が進んでおり、その市場規模は今後も拡大すると予想されます。
これらの分野は、IT業界の中でも特に注目すべきトレンドであり、今後の成長を牽引する可能性が高いです。(実際に、当サイトもAIを活用しています。)
- AI(人工知能): 人間の思考や判断をコンピュータで模倣・実現する技術
- 機械学習: 大量のデータからパターンを学び、予測や判断を行うAIの主要技術
- ビッグデータ: 膨大で多様なデータの集合で、機械学習の分析基盤として活用される
AI、機械学習、ビッグデータの3つは、相互に密接に関連しており、これらの技術を習得することは、ITエンジニアとしての市場価値を高めることにつながります。
これらの技術は、今後ますます重要になるため、早い段階で知識やスキルを身につけておくことが望ましいです。
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングは、現代のITインフラにおいて欠かせない存在です。
クラウドサービスは、企業のITリソースを柔軟に拡張でき、コスト削減や業務効率化に貢献。場所や時間にとらわれずに利用できるため、リモートワークの普及にも大きく役立っています。
今後もクラウドサービスの利用者増加し、市場規模はさらに拡大すると予想されます。
- IaaS(Infrastructure as a Service): 仮想サーバーなどのインフラ環境を提供し、ユーザーはOSやミドルウェアなどを自由に構築できる
- PaaS(Platform as a Service): 開発・実行環境を提供し、ユーザーはアプリ開発に専念できる
- SaaS(Software as a Service): 完成されたソフトウェアをクラウドで提供し、ユーザーはブラウザなどから利用するだけで済む
ITエンジニアは、クラウドサービスを適切に使いこなし、企業のビジネスニーズに応じたシステムを構築する必要があります。
クラウドコンピューティングに関する知識やスキルは、ITエンジニアにとって必須のものとなるでしょう。
サイバーセキュリティ
サイバー攻撃は、年々巧妙化しており被害も深刻化しているため、サイバーセキュリティは、企業にとって最重要課題の一つとなっています。
近年の例では、株式会社KADOKAWAのニコニコ動画を中心としたランサムウェア(データを勝手に暗号化し、解除と引き換えに身代金を要求する手法)などが代表的なサイバー攻撃です。
サイバーセキュリティ対策を専門とする人材は、非常に需要が高く、その市場価値も高騰しています。
サイバーセキュリティには、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、データセキュリティなど、様々な分野があります。
セキュリティに関する情報は常に更新されており、新しい脅威や脆弱性が発見されています。そのため、セキュリティに関する知識やスキルを常にアップデートし続けることが必要です。
ブロックチェーン・メタバース
ブロックチェーンは取引や契約情報を分散型台帳として管理し、改ざんを極めて困難にする技術です。
仮想通貨だけでなく、サプライチェーン管理やデジタル資産の流通など、幅広い用途への応用が期待されています。
一方、メタバースはオンライン上の仮想空間で、アバターを介して人々が交流やビジネスを行う新たなプラットフォームです。
ゲームやSNSの枠を超え、教育や医療、企業活動など多彩な活用の可能性を秘めています。
いずれも発展途上の技術であるため、専門知識を早期に身につければ、希少性の高いエンジニアとして市場価値を上げることが可能です。
量子コンピューター
量子コンピューターは、量子力学の性質を利用して高速に演算を行う次世代のコンピューターとして注目されています。
特定の計算問題で従来型のコンピューターを大きく上回る性能を発揮すると期待されており、創薬や材料開発、金融工学など多様な分野での応用が見込まれます。
しかし、まだ研究・開発段階であり、実用化には時間がかかると予想されています。
量子コンピューティングの仕組みは非常に高度で専門性が高いため、関連分野を学ぶエンジニアは限られた存在となります。
将来的にこの技術が普及すれば、社会や産業構造に大きな変革をもたらす可能性が高いです。
量子コンピューターはAI以上のインパクトがあると言われているにゃ!
新卒に今後おすすめの職種・業種・業態
新卒でIT業界に進むにあたっていくつも職種はありますが、IT業界の動向を踏まえると進むべき職種や業種・業態が見えてきます。
今後、おすすめの方向性について紹介するので絶対に押さえておいてください。
職種:おすすめはエンジニア職一択
新卒でIT業界を目指すのであれば、エンジニア職を選択することが最もおすすめです。
エンジニアは、システムの設計、開発、運用など、ITの中核を担う職種であり、その需要は非常に高いです。
ここまでの内容を踏まえても、IT業界は完全に技術依存の業界です。
そのため、エンジニア職は、IT業界でキャリアアップを目指す上で最も有望な選択肢となります。
エンジニア職には、プログラマー、システムエンジニア、インフラエンジニアなど、様々な種類があります。
どのエンジニアを目指すかは、自分の興味や適性に合わせて選ぶと良いでしょう。
業種:チャンスがあるのはSIer業界
IT業界の中でも、新卒がチャンスを掴みやすいのはSIer(システムインテグレーター)業界です。
SIerは、企業のシステム開発を請け負うため、様々な業界のシステムに携わるチャンスがあります。
新卒でIT業界に足を踏み入れるのであれば、SIer業界は非常に良い選択肢です。
SIer業界には、メーカー系SIer、ユーザー系SIer、独立系SIer、外資系SIer、SESなど、様々な規模の企業が存在します。
それぞれの企業の規模や特徴を理解し、自分に合った企業を選ぶことが大切です。
業態:スキルが磨ける大手SESがねらい目
新卒でIT業界に飛び込むのであれば、大手SES企業に入社するのがおすすめです。
SESとは、ITエンジニアの技術力を提供するサービスであり、短い期間で様々なプロジェクトを経験し、多様なスキルや経験を積むことができます。
SESを活用することで、短期間でITエンジニアとしての実力を大きく伸ばすことが可能です。
SESは、一見すると派遣のようなイメージがありますが、実際には、エンジニアのスキルアップを目的とした働き方で約7割がSESで働いています。
就活インフルエンサーなどはあなたの人生に責任を持つわけでなく、無責任に知名度の高いSIerを推しますが、実際は大手SESに入社するのが正解です。
プログラミングなどを一切触ったことがない方は、中小SIerか大手SESを選択してください。
IT業界を選択するならスキルが最重要
私自身もIT業界に在籍していますが、結論、重要なのはスキルです。
解雇されても会社がつぶれても行き先があるというのは「真の意味での安定」です。その背景を解説します。
終身雇用の終焉とジョブ型雇用
終身雇用制度が崩れつつある現代では、ジョブ型雇用が注目を集めています。
IT業界での活躍を目指すなら、自らの能力を常に高め、市場価値を維持することが必須になります。
かつての終身雇用が前提だった時代とは異なり、「どの企業に長く在籍するか」よりも、「自分のスキルをいかに高められるか」がキャリアの鍵です。
学習の継続を怠らず、新しい技術や知識を身につけることで、ジョブ型雇用の時代を乗り切る力が養われます。
職務の内容と必要スキルを明確化して採用・評価を行う形態のこと。
スキル依存の年収・給料
IT業界では、年功序列よりもエンジニア個々のスキルや経験が重視され、給与や年収に大きく反映されます。
プログラミング技術だけでなく、マネジメント能力やコミュニケーション力も評価対象になることが特徴です。
さらに、クラウド、AI、セキュリティなど高度な分野に明るいと年収アップのチャンスが高まります。
キャリアアップを図るには、自分の得意分野を明確にして、最新の技術やノウハウを積極的に取り入れる姿勢が必要です。
スキルを磨けば磨くほど市場価値が高まるのがIT業界の大きな魅力といえるでしょう。
集中する高スキル人材への需要
IT市場が拡大する中、クラウドやAI、セキュリティといった先端技術に精通したエンジニアへの需要は急速に高まっています。
企業にとって、高度なスキルを持つ人材は生産性の向上や競争力の強化に直結するため、優秀な人材を確保しようと高待遇を用意する動きも活発です。
一方で、高スキル人材を目指すなら、学習や実践を継続し、専門分野で他との差別化を図ることが重要になります。
自分の強みを見極め、特定の分野で技術を突き詰めていくことで、IT業界でのキャリアを大きく飛躍させるチャンスが得られるでしょう。
IT専門の就活エージェントを利用せよ!
ここまでIT業界の今後や未来について解説してきましたが、ほかの業界と比べるとかなり特殊な業界であることに気付くはずです。
ディスるわけではないですが、就活で有名なマイ○ビなどを使っていると、就活が失敗に終わる恐れがあります。(事実、新卒の離職率は過去最多)
総合型は技術職に明るくない
IT業界を志望する方にはIT専門の就活エージェントの利用がおすすめです。
総合型の就活エージェントは、多くの業界や職種を幅広く扱っているため、どうしてもIT技術職に特化した知識やネットワークが薄くなりがちです。
一方、IT専門の就活エージェントは、企業の技術的な要件や最新の業界動向を熟知しており、自分のスキルや希望に合った企業を的確に紹介してくれます。
また、大手求人サイトには掲載されていない独自の求人情報を保有していることも多く、より多くの選択肢を得られるというメリットもあります。
IT業界での就職を目指すのであれば、専門的なエージェントのサポートを積極的に活用して、スムーズに就職活動を進めるとよいでしょう。
技術職のキャリアは戦略が重要
IT業界でエンジニアとしてキャリアを築くには、自分の将来像や目標を明確にし、計画的にスキルを磨いていく戦略が欠かせません。
単にプログラミング技術やITスキルを高めるだけではなく、どんな分野やプロジェクトに携わりたいのかを考え、必要な知識や経験を段階的に積むことが大切です。
また、IT業界は常に新しい技術やトレンドが生まれるため、学習を継続し、変化に対応できる柔軟性も求められます。
キャリアプランは状況に応じて修正・再設計することが必要となる場合もあります。
意識的に自分の強みや興味を見極めていくことで、着実に成長しながらやりがいあるキャリアを築くことができます。