【SIerの闇】新卒でSIerはやめとけ?理由・キャリア・ホワイト企業の見極め方を解説
新卒ではSIerが大変人気ですよね。
ですが、あれはインフルエンサーやエージェントが自分達の売上のために行っている販売戦略に引っかかっているからです。
実際のところ、世の中でうたわれているほど良いものではありません。
正しくエンジニアのキャリアを理解していないと、「まわりが目指しているから」という安易な意思決定で後悔することになります。
本記事では、新卒でSIerをやめといた方がいい人からやめとけと言われる理由、エンジニアのキャリア戦略を踏まえてホワイト企業の見分け方を解説します。
新卒で技術力をつけるならSIerはやめとけ
「新卒で技術を極めたい」という志向なら、SIerへの就職は慎重に考えてください。
SIerでは大規模プロジェクトの上流工程や管理業務が中心となり、プログラミングなどの実装に携わる機会が限られがちです。
実際に、SIerに進んだ人はコードを書く機会がなく、プログラミングができないエンジニアとして揶揄されています。
フリーランスとして働こうにも技術力がないため、難しく、将来的なキャリアも狭くなりやすいです。
反対に、ビジネスとしてのスキルを磨きたいのであれば、幅広い知識が必要なSIerを選択しても良いですが、エンジニアとしての潰しが効きにくいので注意してください。
新卒でSIerはやめとけと言われる理由5選
SIerは人気の就職先ではありますが、「やめとけ」と言われるのには複数の理由があります。よく言われる5つの理由を紹介します。
- スキルが身につきにくい構造
- SESよりも残業時間が長い
- SIerにも客先常駐が発生する
- 責任の所在はSIerにある
- 古い風習がしみついている
スキルが身につきにくい構造
SIerはプロジェクト全体を管理する立場である反面、開発工程の細部は協力会社に任せることも多く、新卒が積極的にプログラミングや新技術を学ぶ機会は限られがちです。
上流工程を担うベテランの指示に従うことが基本となり、自ら技術を選定する場面は少ないでしょう。
加えて、同じような作業を長期間継続する場合もあり、幅広い知識を吸収する機会が巡ってこないケースもあります。
技術力を磨きたい方には、やや物足りない環境です。
SESよりも残業時間が長い
SIerはプロジェクト全体の責任を負う立場であるため、納期が迫ると大量のタスクが押し寄せ、残業が増える傾向があります。
加えて、顧客との打ち合わせや調整業務など、開発以外の作業も多岐にわたるため、結果的に長時間労働が常態化する場合も珍しくありません。
特に大規模案件ではチームを管理しつつプロジェクトを回す必要があるため、作業負荷が偏りやすく、深夜残業や休日出勤に追われる可能性もあります。
ワークライフバランスを重視する方には厳しい現実と言えます。
SIerにも客先常駐が発生する
「自社内で開発するイメージがある」と思われがちなSIerですが、実は客先常駐もよく行われています。
とりわけ大規模な案件では、顧客先にチームで常駐し、顧客の環境やルールに合わせて働かなければなりません。
人間関係や通勤時間など、新たなストレス要因となる可能性があります。自社に帰属している感覚が希薄になりがちな点もあり、孤独を感じやすい面も否定できません。
常駐先によっては残業が増える場合もあるため、事前に十分な情報収集が必要です。
責任の所在はSIerにある
SIerは案件を受注して全体を統括する立場にあるため、問題が起きれば責任を追及されるのはSIer側となります。
顧客からの追加要件や急な仕様変更など、理不尽な状況であっても納期に間に合わせる義務は変わりません。
新卒のうちは実務経験が少ないぶん、トラブル対応や謝罪対応の場面で戸惑うことも多いです。
特にコミュニケーション能力や交渉力を必要とする場面が増えるため、技術力だけでなく対人スキルも求められる点が、新卒には負担となりがちです。
古い風習がしみついている
SIerの中には、昔ながらの年功序列やトップダウン型の文化が根強く残っている企業があります。
変化よりも安定を重視し、新技術の導入が遅れたり、既存の開発手法に固執したりすることもあります。
若手の意見が通りにくい環境では、やる気をそがれ、自主的に成長する機会を逸してしまうかもしれません。
とりわけ、スピード感をもって最新技術を吸収したい方にとっては、もどかしさを感じます。そのため、企業文化をしっかり見極めることが重要です。
新卒でSIerに向いていない人の特徴3選
SIerでの仕事は、あらゆる工程を幅広く担うため、誰にでも合うわけではありません。新卒でSIerに向いていない人の代表的な特徴を3つ取り上げます。
- プログラミングを主体的に行いたい人
- マネジメント業務を避けたい人
- コミュニケーションを重視しない人
プログラミングを主体的に行いたい人
SIerは設計や運用、テストなど、幅広い工程を管理する立場にあるため、新卒のうちはプログラミング業務だけを任される機会が少ない場合があります。
自社開発企業やWeb系企業のように、自分のアイデアを自由に実装できる場面は限られがちです。
決められた仕様を効率よく形にする作業が多くなるため、新技術を積極的に試したい、コードを書いてスキルを高めたいと考えている方は、物足りなさを覚えるかもしれません。
プログラミングで技術力をつけたい人は、ほかの選択肢も検討すると良いです。
マネジメント業務を避けたい人
SIerの現場では、プロジェクトを円滑に進めるために進捗管理やタスク調整、顧客とのやり取りなど、マネジメント業務が重要な位置を占めます。
将来的にはリーダーや管理職のポジションを期待されることも多いため、チームをまとめたり、関係者と折衝する役割を避けたい方にとっては負担となりがちです。
技術のみに集中して働きたいと考えている場合、SIerよりも専門領域に特化した職種や開発体制を持つ企業の方が適しています。
自分のキャリアビジョンをよく考え、SIerが本当に合うかを見極めましょう。
コミュニケーションを重視しない人
SIerの業務では、顧客やチームメンバーと協力しながら開発を進めるため、対話能力が欠かせません。
要件定義や仕様の確認、トラブル時の調整など、プロジェクトを成功させるうえでコミュニケーションは核心的な要素です。
もし人と話すのが苦手、または積極的に意見を交わすのが億劫な場合、SIerでの働き方はストレスが大きくなる可能性があります。
とりわけ、大規模プロジェクトでは関係者が多く、調整業務に時間を割く場面も増えます。
そのため、コミュニケーションを敬遠する方は別の働き方を検討するのも一手です。
新卒でSIerを選ぶメリット
SIerはデメリットばかりが語られがちですが、実は新卒がキャリアをスタートする上でいくつかの利点も持ち合わせています。メリットを3つ紹介します。
- 転職に比べて入社しやすい
- 安定した収入が期待できる
- 大規模システムに関わりやすい
転職に比べて入社しやすい
多くのSIer企業は新卒採用を活発に行っており、ポテンシャル重視で人材採用を行っています。
そのため、プログラミング未経験や文系出身者でも、やる気や学習意欲が評価され、入社のハードルが低めに設定されているケースがあります。
エンジニアとしてのキャリアをいち早くスタートさせたい方は、SIerに飛び込むのは一つの有力な選択肢となるでしょう。
入社後は研修制度を活用しつつ、地道に技術力を養うことが可能です。
安定した収入が期待できる
SIerの多くは、大企業や官公庁からの受注により安定した収益を得ているため、比較的給与面や福利厚生が充実しています。
大手であればなおさら、住宅手当や家族手当などの各種手当が整備されている場合が多く、新卒でも安定した生活基盤を築きやすいです。
結婚や子育てなど、将来的なライフプランを見据えながら働きたい方にとっては、安定性は大きな魅力となります。
ただし、企業によって待遇や昇給制度には差があるため、入社前にきちんと情報を収集して比較検討することが大切です。
大規模システムに関わりやすい
SIerでは、金融や公共機関など社会インフラを支える大規模システム開発に携われる機会が多いです。
大人数が関わる大規模プロジェクトでは、組織的な進め方やプロジェクトマネジメント手法を学べるため、エンジニアとしての視野が広がります。
複雑な要件に対応するための設計思想や、トラブル発生時の対応力など、貴重な経験を積めるのも魅力です。
また、自分の関わったシステムが多くの人々に使われるという達成感は、エンジニアとして大きなモチベーションになります。
ホワイトSIer企業選びのポイント
SIerにはブラック企業と呼ばれる環境もある一方、社員を大切にするホワイト企業も存在します。な良質な企業を見極めるための3つのチェックポイントを紹介します。
- 受託開発以外の事業の強みを確認する
- 直案件(プライム案件)の比率を確認する
- 大手はブラック企業の傾向が強めである
受託開発以外の事業の強みを確認する
ホワイトなSIerを見つけるには、企業が受託開発以外にどのような事業を展開しているかに注目するのも有効です。
自社サービスやコンサルティングなど、多角的なビジネスを持つ企業は経営が安定しやすく、技術への投資余力も高い傾向があります。
自社プロダクトを保有している場合、最新の技術開発や自由度の高い環境が用意されていることも多いです。
ただの下請け作業に終始せず、幅広いスキルを伸ばす機会が得られる可能性が高いです。
直案件(プライム案件)の比率を確認する
SIerのプロジェクト形態には、顧客と直接やり取りをする直案件(プライム案件)と、他社の下請けとして参画する案件があります。
直案件の比率が高い企業は、上流工程から携わる機会が多く、顧客の要望を直接吸い上げてシステムに反映できるため、技術力やコミュニケーション力が磨かれやすい環境です。
給与水準ややりがいの面でもメリットが大きい傾向があります。
成長重視やキャリアアップを図りたいなら、企業の直案件比率をチェックしておくと良いです。
大手はブラック企業の傾向が強めである
一般的に、大手SIerはプロジェクト数が膨大で、納期や品質に対するプレッシャーも非常に大きいため、ブラックな労働環境になりやすい面があります。
組織が大きいほど調整コストも増え、無駄な会議や手続きを強いられる可能性も否定できません。
ただし、大手の中にも労働環境を改善し、社員を大切にする企業は存在します。
評判サイトの口コミやOB・OG訪問などを活用して、実際の勤務状況を把握することが大切です。大手SIerだからといって一括りにせず、慎重に検討してください。
後悔しないエンジニアのキャリア戦略
エンジニアとしての道を歩むなら、将来の選択肢を広げられるキャリアプランを持つことが大切です。そのための企業選択であることを理解しておいてください。
下流工程もできる中小SIerか大手SESに入社
コードを書く力や開発の流れを学ぶために、下流工程の経験ができる中小SIerや、大手SES企業への就職を検討しましょう。
中小SIerでは、プログラミングを含む様々な業務を一通り担当できることが多く、技術力を着実に身につけやすいのが魅力です。
大手SES企業においても、多彩なプロジェクトに参画できるチャンスが多いため、幅広い開発環境を体験できます。
どちらの選択肢でもOJTや研修が充実しているケースが多いので、未経験からでも成長しやすいです。
スキルがついたら大手SIerか自社開発に転職
一定の開発スキルや業務知識を習得したら、大手SIerや自社開発企業への転職を検討してください。
大手SIerでは、大規模プロジェクトに関わり、マネジメントの視点や上流工程のノウハウを得やすいメリットがあります。
一方、自社開発企業なら、新しい技術を積極的に導入したり、自分のアイデアをプロダクトに反映しやすかったりと、エンジニアとしてのやりがいを追求できる環境が整っていることが多いです。
転職の際には、自身の将来像や得意分野を明確にしておくと、ミスマッチを防ぎ、さらなる成長につなげやすくなります。
PM経験後フリーランスかITコンサルタントへ
プロジェクトマネージャー(PM)として実績を積んだら、フリーランスエンジニアやITコンサルタントとして独立する選択肢も視野に入れられます。
フリーランスは、案件や働き方を自分で選べる自由度が魅力的ですし、ITコンサルタントは経営に近い視点で企業の課題解決に携わり、大きなやりがいを得られます。
ただし、どちらの道も専門性やコミュニケーション力が求められるため、業務を通じて培ったスキルや人脈が重要な武器となります。
将来の独立やキャリアの多様化を考えるなら、早いうちから技術力とマネジメント力をバランスよく磨いておくと良いでしょう。
新卒なら大手より中小SIerがおすすめ
新卒でSIerを志望するなら、大手ばかりが注目を浴びがちですが、本当に狙うべきは中小SIerです。
中小SIerは社員同士の距離が近く、風通しが良いため、新人でも積極的に開発や新しい提案に携われる機会が多い傾向があります。
プログラミングなどの下流工程からスタートできるため、基礎技術をしっかり固めるのにも向いています。
一方で、大手SIerは組織が大きく、分業体制が整っているぶん、業務範囲が限られがちになる可能性があります。
自分の成長を最優先に考えたいなら、中小SIerの方が幅広い経験を積める環境を得やすいです。
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