【就活生必見】IT業界の多重下請け構造でわかる失敗しないIT就活
あなたはIT業界の研究と言って企業だけを見ていないですか?
だから有名企業の名前ばかりに踊らされてしまうのです。確かに、早慶以上であれば、書類通過するかもしれません。
しかし、そうではない人達は業界の構造を理解しないで応募していると時間ばかり無駄にしてしまいます。
なぜなら、IT企業は業界の構造がそのまま反映され、入社難易度が決まっているからです。
IT業界の就活を有利にするために、IT業界の構造をわかりやすく解説していきます。
本記事では、IT業界を目指す就活生を対象に、IT業界の多重下請け構造について解説します。IT業界の構造を理解することで、選ぶべき企業が見えてきます。
IT業界は多重下請け構造
IT業界は、多重下請け構造が一般的で、発注企業からシステム開発や運用が完了するまでに複数の企業が関与する複雑な構造を持っています。
例えば、発注元の大手企業がシステムインテグレーター(SIer)にプロジェクトを依頼し、さらにそのSIerが専門的な部分を下請け企業やフリーランスに委託する形です。
上記の画像のように、それぞれの企業が異なる役割を担い、連携することで大規模なプロジェクトを効率的に進めています。
自動車業界も多重下請け構造です。自動車を1台に作るのにはたくさんの部品が使われています。
エンジン・エアコン・座席・ネジ・鉄板など、それぞれ制作のプロが作っています。
これらを1つにまとめることで1台の車が完成するのです。これが多重下請け構造のわかりやすい例となっています。
しかし、この多重下請け構造には課題もあります。
特に下請け企業にとっては、労働条件が厳しく、受注金額が圧縮されることも多く、結果として従業員の労働環境が悪化するケースが見られます。
また、下層に位置する企業では、最新技術に触れる機会が少なく、スキルアップの機会が限られてしまうため、就活時には注意が必要です。
IT業界の根幹は情報処理サービス/SIer業界である
結論をいえば、IT業界を支えている業界は情報処理サービス/SIer業界です。業界的な構造を詳しく見てきます。
発注企業とベンダー企業の関係
IT業界の根幹を担うのが、情報処理サービス/SIer(システムインテグレーター)業界です。
なぜなら、それぞれの業界から仕事を請け負って実質的に業界全体を回す役割を担っているからです。
SIer企業は、発注企業からシステム開発や運用に関するプロジェクトを受託し、システムの設計から導入、運用までを一貫して管理を行います。
また、SIerは自社内で開発を完了させるだけでなく、専門分野に応じて他の企業に開発の一部を委託することもあります。
このように、SIerはプロジェクト全体を統括する役割を持ち、IT業界の中核的な存在です。
情報処理サービスというのは、企画を実物化させるからかもにゃ~。
SIer企業とSES企業の関係
SIer企業は、大規模なプロジェクトを進行するために、SES(システムエンジニアリングサービス)企業を活用することが一般的です。
SES企業は、SIer企業から受注したプロジェクトにエンジニアを派遣し、システムの設計、プログラミング、テストなどを担当します。
SIer企業は開発規模に応じて柔軟な体制を構築でき、SES企業は自社のエンジニアをプロジェクトに投入し、技術支援を行います。
このように、SIer企業はシステム開発やインフラ構築のリーダーとして、プロジェクトを牽引してSES企業と連携していきます。
企業とフリーランスの関係
SIer企業やSES企業は、フリーランスのエンジニアを活用するケースが増加しています。
フリーランスは、企業に所属せず個人で契約し、プロジェクトベースで業務を遂行します。
基本的には上記のように、プロジェクトに対してそれぞれ人をアサインします。フリーランスは業務提携を結んでいて、プロジェクトの際に一時的に仕事を依頼するという関係性です。
企業にとって、フリーランスは専門的なスキルを持つエンジニアを必要な時に柔軟に雇用できるメリットがあり、コスト削減やプロジェクト期間の短縮に寄与します。
一方、フリーランスのエンジニアは、自分のスキルや経験に基づいて仕事を選ぶ自由があり、報酬も自身の能力次第で高められるメリットがあります。
雇うと値段が張るエンジニアでもコストカットできるにゃ!
Web業界は就活で要注意!?
SIer業界がIT業界の中心となっていますが、Web業界は少し特殊です。
Web業界は外部へ委託せずに自社内で開発を進めて自社サービスを展開する「自社開発企業」も存在します。他のIT業界と一緒に考えると就活で失敗しやすいです。
Web業界は人手が足りている
Web業界は、Webエンジニアやデザイナー、マーケターといった職種では、人材不足がすでに解消されつつあり、業界全体で充足している状況です。
特に、フロントエンド開発やWebデザインなど、比較的参入しやすい分野では競争が激化しており、求人倍率が低くなる傾向も見られます。
Web業界で活躍するためには、高度なスキルが必要なため、就活でWeb業界を目指すのは非常に危険です。
Web業界に行くならポートフォリオが超重要
Web業界において、ポートフォリオは就職活動において最も重要な要素です。
ポートフォリオは、自身がこれまでに手掛けたWebサイトやアプリケーション、デザイン作品をまとめたものであり、実績を視覚的にアピールする手段です。
企業は応募者の技術力やセンスを評価する際、履歴書やエントリーシートだけでなく、ポートフォリオを重視する傾向が強いため、自分の強みやスキルを効果的に伝えるポートフォリオを作成することが大切です。
また、GitHubや自身のWebサイトを通じて、コードや作品を公開することも良いアピール方法です。
そのため、プログラミングにある程度理解がないと入社が難しい業界と言えます。
行くならJava Silverを取得せよ
Web業界でエンジニアとして就職を目指すなら、Javaの知識が非常に重要です。
Javaはバックエンド側の言語で、Webアプリケーションの開発において広く使用されています。
Web業界に行きたいのであれば、基本的なスキルを証明するために「Java Silver」という資格を取得すれば入社できる可能性があります。
Java Silverは、Javaプログラミングの基礎を理解していることを証明する資格で、資格取得で、採用担当者に対して自分の技術力を明確にアピールできる点がメリットです。
難しいので半年ぐらいは取得するまでに時間がかかるにゃ。
IT業界の理解を深める開発工程と構築行程
ここまで、IT業界の構造について解説してきましたが、このような構造になるのには理由があります。システム開発とインフラ構築の工程について紹介します。
システム開発の基本行程(ウォーターフォール開発)
ウォーターフォール開発は古くから採用されている代表的な開発手法です。
ウォーターフォールモデルでは、システム開発を複数のフェーズに分けて、上流から下流へと段階的に進行していきます。
主な工程としては、以下の通りに進んでいきます。
- 要件定義:顧客のニーズを整理
- 設計:システムの詳細な仕様を決定
- 実装:プログラムを開発
- テスト:動作確認を行う
- 保守・運用:必要に応じて保守・運用を行う
ウォーターフォール開発は、各フェーズが順番に進行するため、進捗管理がしやすく、大規模なプロジェクトに適しています。
システム開発は各工程に分かれているので、複数の企業が関わるんだにゃ!
ITインフラ構築の基本(構築から運用)
ITインフラ構築は、システムが稼働するための基盤を整える重要なプロセスです。
主な工程としては、以下の通りに進んでいきます。
- 要件定義:ネットワーク、サーバー、ストレージなどの必要要件を決定
- 設計:使用機器・ネットワーク環境・セキュリティなどを設計
- 構築:サーバー設定・ネットワーク構築・コンポーネントの設定を実施
- テスト:システム全体が正常に稼働するかを確認
- 運用:システム監視、バックアップ、セキュリティ対策を行い、安定稼働を維持
ITインフラは企業活動の基盤であり、運用フェーズでの保守・改善が長期的な安定運用に不可欠です。
リリース前には開発とITインフラががっちゃんこするにゃ!
IT就活は優良企業の入社が必須
IT業界は労働環境の悪い企業や、いわゆるブラック企業も存在します。
これらの状況が存在するのもIT業界の構造が多重下請け構造であり、各種の工程が分かれていることが大きな原因です。
ブラック企業では長時間労働が常態化しているほか、労働環境や給与面での問題が多く、成長の機会が限られてしまう可能性があります。
そのため、IT就活では優良企業を見極めて入社することが非常に重要です。
大手企業だから優良企業ではなく、スキルを積んで成長できる企業が優良企業です。
この認識を間違えると大手に入ってすぐに辞めてしまうという負のループに入ってしまいます。
ねらい目なのは二次受けや三次受けのSES企業が最適です。IT業界の構造を理解しておくとこのようなことが分かります。
ただ、優良企業を探すのは個人ではなかなか難しいので、IT業界専門の就活エージェントを利用することをおすすめします。