【就活生必見】インターネット・Web業界とIT業界の違いをわかりやすく解説
IT業界とWeb業界を混同している人は非常に多いです。
SNSとかWebサイト作りたいなんて人も多いのではないでしょうか?
結論をいえば、IT業界とWeb業界はまるで別物です。
IT業界の分類の1つとなっていますが、Web業界はかなり独自の文化を持っているため、一緒に考えると失敗します。
本記事では、IT業界を志望する就活生を対象に、Web業界とIT業界の違いについて詳しく説明します。
インターネット・Web業界とは?
インターネット・Web業界はIT業界の分野の1つです。Web業界がどんなものか詳しく見ていきましょう。
インターネット・Web業界の役割
インターネット・Web業界は、インターネットを活用したサービスや技術を扱う業界です。
私たちの生活に欠かせない、ウェブサイトやアプリ、オンラインゲーム、ソーシャルメディア、電子商取引など、幅広いサービスを提供しています。
現代社会において、インターネットは情報収集、コミュニケーション、エンターテイメント、ビジネスなど、あらゆる場面で重要な役割を果たしています。
一般ユーザーが触れる機会が多いのでIT業界とイコール関係にされていることが多いです。
基本的には自社サービスを展開している企業が多いにゃ!
主なインターネット・Web業界のサービス
インターネット・Web業界では、様々なサービスが提供されています。
代表的なサービスには以下のようなものがあります。
サービス区分 | 事業内容 |
---|---|
ウェブサイト制作・運営 | 企業・個人向けウェブサイトの企画、設計、開発、運営 |
アプリ開発 | スマートフォン・タブレット向けアプリの企画、設計、開発、運営 |
オンラインゲーム開発 | オンラインゲームの企画、設計、開発、運営 |
ソーシャルメディア運営 | SNSアカウント運用、コンテンツ作成、マーケティング |
電子商取引 | オンラインストアの構築、運営、商品販売、決済処理 |
広告代理 | インターネット広告の企画、制作、配信、効果測定 |
SEO | 検索エンジンでのランキング向上対策 |
Webマーケティング | インターネットを活用したマーケティング活動 |
クラウドサービス | ITリソースのインターネット経由での提供 |
セキュリティ | 不正アクセス・サイバー攻撃対策 |
私たちの生活をより便利で豊かにするために欠かせないものとなっています。
インターネット・Web業界の主要企業
インターネット・Web業界には、世界的に有名な企業から、ベンチャー企業まで、様々な規模の企業が存在します。
代表的な企業には以下のようなものがあります。
企業名 | 主な事業内容 |
---|---|
検索エンジン、広告、クラウドサービス | |
Amazon | オンラインショッピング、クラウドサービス、デジタルコンテンツ配信 |
Meta | ソーシャルメディアサービス |
Apple | スマートフォン、タブレット端末、パソコンのハードウェア・ソフトウェア開発・販売 |
Microsoft | ソフトウェア、クラウドサービス、ハードウェア |
Yahoo! | 検索エンジン、ポータルサイト、広告 |
楽天 | オンラインショッピング、金融サービス、旅行サービス |
LINE | メッセンジャーアプリ、ソーシャルメディア、決済サービス |
DeNA | オンラインゲーム、ソーシャルゲーム、モバイルゲーム |
サイバーエージェント | インターネット広告、メディア事業、ゲーム事業 |
インターネット・Web業界を牽引し、常に新しい技術やサービスを生み出しています。
IT業界とインターネット・Web業界の違い
IT業界とWeb業界の違いをビジネスモデル、市場規模、エンジニアのスキルの3つの視点から見ていきます。
IT業界とインターネット・Web業界のビジネスモデルの違い
IT業界とインターネット・Web業界は、どちらも情報技術を扱う業界ですが、ビジネスモデルには大きな違いがあります。
IT業界は、企業や組織に対してシステム開発や運用などのサービスを提供するBtoBビジネスが中心です。
そのため、IT業界では、顧客となる企業や組織との長期的な関係構築が重要となります。
一方、インターネット・Web業界は、一般消費者に対して、ウェブサイトやアプリなどのサービスを提供するBtoCビジネスが中心です。
多くのユーザーを獲得し、サービスを広く普及させることが重要となります。
このように、対企業なのか対個人なのかで大きく異なります。
IT業界とインターネット・Web業界の市場規模の違い
IT業界は、インターネット・Web業界よりも歴史が長く、市場規模も大きいです。
IT業界は、企業や組織の業務効率化や情報管理を支援するシステム開発や運用など、幅広い分野をカバーしています。一方、インターネット・Web業界は、近年急速に成長している業界ですが、IT業界に比べると市場規模は小さいです。
上記の図でいえば、インターネット付属サービス業が該当します。IT業界における売上構成比としては約7%ほどでしかありません。実質的な市場規模としては約3兆円程度です。
しかし、インターネットの普及に伴い、インターネット・Web業界の市場規模は今後も拡大していくと予想されています。
Web業界の市場規模は大きくないので、あえて目指すところではないにゃ!
IT業界とインターネット・Web業界のエンジニアスキルの違い
IT業界とインターネット・Web業界では、求められるエンジニアのスキルにも違いがあります。
IT業界では、大規模システム開発や運用に必要な、データベース設計、ネットワーク構築、セキュリティ対策などの知識や経験が求められます。
一方、インターネット・Web業界では、ウェブサイトやアプリ開発に必要な、プログラミング言語、デザイン、ユーザーインターフェース設計などの知識や経験が求められます。
近年では、IT業界とインターネット・Web業界の境界線が曖昧になってきており、両方のスキルを兼ね備えたエンジニアが求められるケースも増えています。
開発するものでスキルセットが変わっていくにゃ!
インターネット・Web業界のエンジニア
Web業界は基本的に開発職種がメインになるため、必要なスキルは高レベルなものを要求される傾向が高いです。
システムエンジニア
システムエンジニアは、企業や組織の業務システムの設計、開発、運用、保守を行うエンジニアです。
インターネット・Web業界においても、システムエンジニアは重要な役割を担っています。ウェブサイトやアプリのバックエンドシステムの設計、開発、運用、保守などを行います。
システムエンジニアには、以下のスキルが求められます。
- プログラミング言語:Java、Python、PHP、Rubyなど
- データベース:MySQL、PostgreSQL、Oracleなど
- ネットワーク:TCP/IP、LAN、WANなど
- セキュリティ:脆弱性診断、セキュリティ対策など
- サーバー:Linux、Windows Serverなど
Webエンジニア
Webエンジニアは、ウェブサイトやウェブアプリケーションの設計、開発、運用、保守を行うエンジニアです。
インターネット・Web業界において、最も需要の高いエンジニア職種の一つです。
Webエンジニアには、以下のスキルが求められます。
- プログラミング言語:HTML、CSS、JavaScript、PHP、Rubyなど
- フレームワーク:React、Vue.js、Angularなど
- データベース:MySQL、PostgreSQLなど
- サーバー:Apache、Nginxなど
- バージョン管理:Gitなど
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れるウェブサイトやアプリの画面部分(フロントエンド)の設計、開発、運用、保守を行うエンジニアです。
ユーザーインターフェース(UI)デザイン、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン、JavaScriptによるインタラクティブな機能開発などを行います。
フロントエンドエンジニアには、以下のスキルが求められます。
- プログラミング言語:HTML、CSS、JavaScript
- フレームワーク:React、Vue.js、Angularなど
- デザインツール:Photoshop、Illustratorなど
- ユーザーインターフェース設計:UI/UXデザインなど
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、ウェブサイトやアプリの内部処理やデータ管理を行うシステム部分(バックエンド)の設計、開発、運用、保守を行うエンジニアです。
サーバーサイドのプログラミング、データベース設計、API開発などを行います。
バックエンドエンジニアには、以下のスキルが求められます。
- プログラミング言語:PHP、Ruby、Python、Javaなど
- フレームワーク:Laravel、Ruby on Rails、Djangoなど
- データベース:MySQL、PostgreSQL、MongoDBなど
- サーバー:Apache、Nginxなど
- API開発:RESTAPI、GraphQLなど
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ウェブサイトやアプリが安定して動作するための基盤となるサーバー、ネットワーク、セキュリティなどのインフラ環境の構築、運用、保守を行うエンジニアです。
サーバーの管理、ネットワークの構築、セキュリティ対策などを行います。
インフラエンジニアには、以下のスキルが求められます。
- サーバー:Linux、Windows Serverなど
- ネットワーク:TCP/IP、LAN、WANなど
- セキュリティ:脆弱性診断、セキュリティ対策など
- クラウドサービス:AWS、Azure、GCPなど
インターネット・Web業界の特殊な職種
Web業界は個人消費向けに広く認識させなければならないため、B to Bと比べて特殊な職種も多いです。Web業界ならではの職種を解説します。
Webデザイナー
Webデザイナーは、ウェブサイトやアプリのデザインを行う専門職です。
ユーザーインターフェース(UI)デザイン、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン、グラフィックデザインなどを行います。
Webデザイナーには、以下のスキルが求められます。
- デザインツール: Photoshop、Illustrator、Sketchなど
- HTML、CSS、JavaScriptなどの知識
- UI/UXデザインの知識
- 色彩感覚、デザインセンス
- コミュニケーション能力
Webマーケター
Webマーケターは、インターネットを活用したマーケティング活動を行う専門職です。
ウェブサイトやアプリのアクセス数を増やし、顧客を獲得するための戦略を立案し、実行します。SEO対策、リスティング広告、ソーシャルメディアマーケティングなどを行います。
Webマーケターには、以下のスキルが求められます。
- マーケティング知識:SEO、リスティング広告、SNSマーケティングなど
- 分析力:データ分析、効果測定など
- コミュニケーション能力:顧客との折衝、チームワークなど
- 企画力:マーケティング戦略の立案など
IT業界とWeb業界はまるで別物と心得よ!
IT業界とWeb業界について比較してきましたが、Web業界はIT業界の中でも特殊な立ち位置と考えた方が無難です。その理由について見ていきましょう。
Web業界は人材が飽和状態
近年、Web業界は非常に人気が高く、多くの人が就職を希望しています。
しかし、Web業界は人材が飽和状態であるとも言われています。特に、未経験者やスキルが低い人材にとっては、就職活動が厳しい状況です。
Web業界で成功するためには、高いスキルと経験が求められます。
そのため、未経験者であれば、独学でスキルを磨いたり、専門学校に通ったりするなど、しっかりと準備をする必要があります。
就活での入社難易度は激むず
Web業界の企業は、優秀な人材を求めています。そのため、就活では、高いスキルや経験、ポテンシャルをアピールする必要があります。
面接では、技術的な知識や経験だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力なども評価されます。
Web業界への就職を希望する場合は、しっかりと準備をして、面接に臨むことが重要です。
はっきりと言ってしまうと、IT業界の別の業界から入ってスキルを磨いてからチャレンジする方が得策です。ファーストキャリアとしてのWeb業界はあまりおすすめしません。
無策で入れる業界ではないにゃ!
インターネット・Web業界はやめとけ!
無策で入れる業界ではないため、インターネット・Web業界をいきなり目指すのはあまりおすすめできません。
文字通り「やめとけ」といった状態です。その理由について解説します。
高スキル人材は入社が可能
Web業界は、確かに厳しい競争社会ですが、高いスキルや経験を持つ人材にとっては、やりがいのある業界です。
最新の技術を学び、新しいサービスを生み出すことで、社会に貢献することができます。
Web業界で成功するためには、常に学び続ける姿勢が大切です。新しい技術やトレンドをキャッチアップし、スキルを磨いていくことで、競争社会を生き抜くことができます。
内定がもらえるとしても、早慶以上か、技術があってポートフォリオが作れる学生という狭き門になっているため、別の業界を目指した方が良い労働条件で入れる企業が多いです。
Webデザイナーは美大生でもきつい
Webデザイナーは、デザインセンスや美的感覚が重要視される職種です。そのため、美大出身者やデザイン系の専門学校出身者が多く活躍しています。
しかし、Webデザイナーは、デザインスキルだけでなく、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミングスキルも必要です。
「デザインセンスがある+プログラミングスキルがある」という状態で、たくさんの志望者の中で上位数%に入るレベルの能力が必要となります。
事実、Webデザイナーの求人倍率は0.1倍とほぼ募集されていない状態です。
よくWebデザイナーのスクールなどで、「在宅ワークで月収100万」などの広告がありますが、この状態でよくそんなことが言えるよな。と怒りすら感じさせるような現状です。
もし、あなたが夢に生きたいなどの願望がない限りは、絶対にWebデザイナーを目指すなんて愚行はやめておくことを推奨します。
IT業界の中で最も就活の難易度が高いのがWebデザイナーという職種なのです。