【SESの闇】新卒でSESはやめとけ?理由とメリット・優良企業の見分け方を解説
エンジニアの就職を考えて就活をしていると、SESという企業形態をよく目にすると思います。
巷ではSESを必要以上に悪く書かれていることがあり、不安を感じている人も多いです。
その理由として、他業界ではあまり見かけることのない「客先常駐」という働き方やSESというビジネスモデルを悪用した「悪徳企業」の存在が挙げられます。
とはいえ、エンジニアの約7割はSES企業に在籍しており、経験がある人ほど「やっぱりSESが良かった」というのが実態です。
本記事では、新卒でSESに入るのはやめとくべきなのか?について理由とメリット、狙うべき優良企業の見分け方を解説します。
新卒でSES企業に行くのは悪くない
新卒でSES企業へ進むのは「やめとけ」と言われがちですが、必ずしも悪い選択肢ではありません。
さまざまな現場に携われるため、技術だけでなく人脈面でも成長しやすい点が魅力です。
SESは技術力を身につけやすい環境
SESの特徴は、短期間で多彩なプロジェクトに関わりやすいことです。
幅広い技術に触れられるため、自分の得意分野を早めに見極めるうえでも有効となります。
また、多くのSES企業では研修制度や資格取得支援制度を整えており、やる気さえあれば着実にスキルアップが可能です。
一つの現場だけに留まるわけではなく、開発手法や使用技術も案件によって違うため、柔軟に知識を広げていけるメリットがあります。
技術の進歩が速いIT業界で、バランスよく成長できる環境にゃ。
世の中のエンジニアの7割はSESに在籍
意外に思われるかもしれませんが、日本のITエンジニアのおよそ7割がSES企業に所属しているとも言われています。
企業が必要なときに必要なスキルを持つエンジニアを確保しやすい仕組みが整っているため、SESは業界全体を下支えする大きな役割を担っているのです。
「SESは良くない」という先入観だけで判断するのはもったいないです。
これだけ多くのエンジニアが在籍しているという事実から、むしろSESは一般的な働き方の一つと捉えることができます。
案件に依存するのはSIerも同じこと
SIerと比較されることが多いSESですが、実際にはSIerもプロジェクトごとに外部へ開発を委託するケースが多く、案件の内容次第で身につくスキルや経験は変わります。
つまり、「客先常駐=SESのデメリット」という図式だけでは説明しきれないのです。
プロジェクト単位で働く以上、SESもSIerも案件によって求められる役割やスキルが左右されます。
どちらを選ぶかよりも、自分がどのようなプロジェクトで成長したいかを意識し、興味や将来の目標に合った企業を見極めることが大切です。
新卒が「SESはやめとけ」と言われる理由5選
とはいえ、新卒でSESはやめとけと言われる理由があるのも事実です。その理由を5つピックアップしたので見てきましょう。
- 【SESの闇】中小SESにはブラック企業が多い
- 【現場ガチャ】常駐先の環境変化リスク
- 【責任の所在】指揮命令系統の曖昧さ
- 【悪徳企業】家電量販店・コールセンター派遣
- 【案件面談】経歴詐称で実力を誤魔化す企業
【SESの闇】中小SESにはブラック企業が多い
中小規模のSES企業の中には、労働条件が整っておらず、いわゆるブラック企業と呼ばれるところがあるのも事実です。
例えば、残業時間が適切に管理されていなかったり、給与が相場より極端に低かったりするケースがあります。
加えて、社内の人間関係が悪かったり、パワハラが放置されている場合もあるので要注意です。
このような企業に入社してしまうと、キャリアのスタートでつまずく恐れが高まります。就職活動の際には、企業情報をよく調べて慎重に選ぶことが重要です。
【現場ガチャ】常駐先の環境変化リスク
SESではクライアント先に常駐する形で働くため、配属されるプロジェクトによって職場環境が大きく変わります。
もし運が悪いと、技術力の向上が望めない案件や、人間関係がギスギスした現場に配属されることもあります。
こうしたリスクは「現場ガチャ」と呼ばれ、なかなかコントロールしづらい点が厄介です。
しかし、多様な環境を経験できるとも言えるため、事前にどんな案件が多いのかをしっかりリサーチし、自分の目標に合う現場にアサインされる確率を高める努力が大切です。
【責任の所在】指揮命令系統の曖昧さ
SESの働き方は、自社と常駐先という二つの組織の狭間で業務を行うことになります。
その結果、どちらの指示を優先すべきか迷う場合や、問題が起きたときに責任の所在が曖昧になるケースがあります。
指揮系統が明確でないと、エンジニア自身が板挟みになり、精神的な負担も大きくなりがちです。
トラブルが起きた際にサポートしてくれる体制が整っているかどうかは、企業選びでも重要なポイントと言えます。
【悪徳企業】家電量販店・コールセンター派遣
一部の悪質なSES企業では、エンジニアと無関係な業務に派遣されることがあります。
具体的には、家電量販店の店頭販売やコールセンターでの電話対応など、プログラミングやシステム開発の経験を積めない仕事が挙げられます。
こうした業務では、エンジニアとしてのキャリアアップにまったく寄与しないどころか、大切な成長の機会を失いかねません。
自社でどんな案件を扱っているのか、きちんと確認してから入社を検討することが賢明です。
求人サイトに普通に載っているのが大きな問題だにゃ。
【案件面談】経歴詐称で実力を誤魔化す企業
SES企業によっては、クライアントとの面談時にエンジニアの経歴を誇張する、あるいは実際には持っていないスキルを記載するなどの不正を行う場合があります。
こうした経歴詐称は、バレたときに企業の信用を大きく損ない、エンジニア自身も居づらくなるリスクが高いです。
正直なスキル評価や適切な案件マッチングを行っているかどうかは、長期的にキャリアを築くうえで非常に重要なポイントです。
企業説明会や社員への質問を通じて、信頼できる企業かどうかを見極めてください。
営業力がない会社はよく経歴詐称をさせるにゃ。
新卒がSES企業に入社する5つのメリット
ブラックな側面があるSES企業ですが、しっかりと企業を選べばむしろ好条件で働けます。ちゃんと企業を選べた場合の5つのメリットを紹介します。
- 就活の難易度は低めで入りやすい
- 短期間で幅広いスキルが身に付く
- 基本的に残業が少ない雇用形態
- 案件次第で大手企業で働ける
- リモートワークも進んでいる
就活の難易度は低めで入りやすい
新卒でIT業界を目指す方にとって、SES企業は比較的チャレンジしやすい選択肢です。
特に中小のSES企業は、未経験者や第二新卒に対しても積極的に門戸を開いているケースが多いため、学歴や専門スキルに自信がない方でも採用される可能性があります。
企業によっては、ポテンシャルを重視するため、意欲をアピールしやすい点も魅力です。
まずはIT業界に足を踏み入れ、基礎的なスキルや経験を積んでから、次のステップを考える人にとっては有力な選択肢です。
短期間で幅広いスキルが身に付く
SESでは、さまざまなクライアント先で多様なシステムや技術に触れる機会があります。
プロジェクトごとに開発手法や使用技術が異なるため、短期間で幅広いスキルセットを身につけやすい点が大きな魅力です。
一つの分野だけに特化したくない方や、いろいろな分野を試してみたい新卒の方には、まさにうってつけの環境と言えます。
さらに、実務を通して得た知識は、自分の将来のキャリアプランを考える上でも大いに役立ちます。
基本的に残業が少ない雇用形態
SESはプロジェクト単位で働く形態が多いため、比較的残業が少ないといわれています。
もちろん、案件の進捗状況やトラブル対応によっては残業が発生する場合もありますが、自社開発企業のように長時間残業が常態化しづらい面は魅力です。
ワークライフバランスを大切にしたい方や、プライベートな時間を確保しつつスキルアップを図りたい方に向いています。
ただし、すべてのSES企業が同じとは限らないので、求人や面談で具体的な労働時間を確認しておくことが大切です。
案件次第で大手企業で働ける
SESに所属すると、大手企業のプロジェクトへ参画できる可能性も高まります。
自社では経験できない大規模システムの開発や、高度な技術を扱う現場に加わることで、成長の速度を一気に加速することが可能です。
大手企業での実務経験を積むことは、その後のキャリアでも大きな強みとなります。
特に、マネジメント領域や上流工程に携わる機会があれば、自分の市場価値をさらに高めることにもつながるため、積極的に挑戦してみると良いです。
リモートワークも進んでいる
昨今はリモートワークが普及し、SES企業でもリモートでの開発案件が増えてきました。
通勤時間を節約できるだけでなく、自宅で落ち着いて作業に集中できるというメリットも享受できます。
リモート案件が多い企業であれば、自分の生活スタイルやワークライフバランスに合わせて柔軟に働けるケースが多いです。
ただし、企業によってリモートワークの導入状況はまちまちですので、就職活動の段階でリモート案件の有無やサポート体制などを確認しておくことをおすすめします。
ホワイトなSES企業を見抜くポイント
上記のメリットを享受てきるのは残念ながら大手のSES企業です。
もちろん、中小企業でもホワイトな体制を整えていることはありますが、SES企業に限っては断然大手をおすすめします。
福利厚生と給与体系
注目すべきは、給与や福利厚生の水準です。
業界平均と比べて著しく低い給与ではないか、残業代や交通費がきちんと支給されるか、各種手当や保険制度が整っているかなどを確認しましょう。
また、昇給制度がしっかりしている企業であれば、将来的な収入アップも期待できます。
これらの情報は求人票だけでなく、面談や説明会、場合によっては口コミサイトなどを活用して集めると良いです。
口コミと評判の確認
企業の実態を知るためには、口コミサイトやSNSなどの評判もチェックします。
実際に働いている人の意見は、求人情報にはないリアルな実情が垣間見えます。ただし、すべてを鵜呑みにするのは禁物です。
個人の感じ方や部署ごとの違いもあるため、複数の情報源を比べて総合的に判断しましょう。
また、気になる点があれば面接時に質問してみるのも効果的です。
SESは悪い口コミが書かれがちなので、悪い口コミはアテにしない方が良いにゃ!
教育制度と研修体制
新卒からエンジニアを目指す方にとっては、教育制度や研修体制が整っているかが重要です。
入社後の研修内容だけでなく、OJTでどれだけサポートがあるのか、資格取得支援が充実しているかなどをチェックしましょう。
勉強会や技術書購入の補助など、自主的なスキルアップを後押ししてくれる環境があるかもポイントです。
こうした制度がしっかりしていれば、着実に実力を伸ばすことができ、将来的なキャリアの幅も広がります。
注意点として、長すぎる研修期間(半年以上)は悪徳企業の可能性が高いにゃ!
新卒で入社するなら大手SES企業がおすすめ
新卒でSES企業に進むことを考えるなら、大手のSES企業を選ぶのがおすすめです。
未経験からでも安心できる研修制度
大手SES企業では、新卒や未経験の方向けに手厚い研修制度を整えている場合が多いです。
プログラミングの基礎から始まり、実践的な開発手法まで段階的に学べるため、経験の浅い方でも無理なくスキルを習得できます。
研修期間が比較的長く取られている場合もあり、焦らず確実に技術を身につけられる点が魅力です。
また、研修後のフォローアップ研修や勉強会なども充実しているため、継続して学習する環境が整っています。
チームで案件にアサインされる体制
大手SES企業の魅力の一つに、新卒や未経験者をチームで案件にアサインする体制があります。
先輩エンジニアや仲間と一緒にプロジェクトを進めることで、疑問点をすぐに解消できるうえ、学んだ知識を実践に移しやすいのです。
また、仲間の働き方やスキルを間近で見ながら、自身の成長に役立てられる点も大きなメリットです。
一人で不安を抱え込まず、周囲からのサポートを得やすい環境が用意されているため、安心して業務に取り組むことができます。
大手企業の直案件を請け負っている
大手SES企業は、大手クライアントからの直案件を豊富に持っていることが多く、安定した収益基盤が整っています。
家電量販店やコールセンターといったエンジニアリングと無関係の派遣先への配属リスクが低いのもポイントです。
さらに、大手企業のプロジェクトでは、大規模システム開発や最先端の技術に触れる機会が多く、エンジニアとして大きく成長するチャンスを得やすいです。
高度な要件を満たす案件に携われることは、将来のキャリアアップにも有利に働きます。
ITエンジニアにおすすめの就活エージェント
IT業界への就職を目指す新卒の方は、専門性の高い就活エージェントを活用すると効率よく企業選びが進みます。
むしろ、求人サイトのほうが信用できず、プロに相談することをおすすめします。
第1位…ユニゾンキャリア就活
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さらに、履歴書や職務経歴書の添削、模擬面接などのサポートも手厚く、初めての就職活動で不安が大きい方も着実に準備を進められます。
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第2位…エンジニア就活(テックベース)
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さらに、スカウト機能や企業説明会などを通じて、企業との接点を持ちやすいのも魅力です。
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加えて、ポートフォリオの作成や技術面接の対策など、現場視点での具体的なアドバイスをもらえる点も魅力です。
高学歴者向けの傾向が強いのでSESに行くという意味では、3位の就活エージェントです。