ITパスポートは就活に有利?意味ない?就職を有利にする方法

ちまたではITパスポートは就活で意味がないと言われたりします。しかし、実際のところ、あるのとないのとでは大きな違いを生みます。
意味ないと言われる理由は、伝え方や利用方法に問題があるからです。IT関連に進みたいのであれば、取っておいて損はありません。
また、社会人になった時には、資格というのはなかなか取る時間がないものです。
ガクチカで経験もないのにインターンに参加するより、ITパスポートのほうが効果的です。
本記事では、IT業界を目指す就活生を対象にITパスポートとはどんな資格か必要な勉強時間、面接を有利にする方法を解説します。
ITパスポートとは?就活で評価される理由
まずは、ITパスポートの概要についておさえていきます。ここを知らなければ話になりません。
ITパスポート試験の概要
ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)実施の国家資格で、社会で必要なITや経営・法務などの基礎知識を問う試験です。
IT系国家資格の入門レベルに位置づけられ、近年では年間約26万人が受験しています。
試験は120分で100問(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)の四肢択一式で、各分野に偏らない学習が必要です。
合格には総合600点以上かつ各分野300点以上が必要で、合格率は近年およそ50%前後と比較的高めです。
勉強時間はIT未経験者で約180時間、基礎知識がある人でも100~150時間が目安と言われており、それほど難易度の高い試験ではありません。
就活で評価される理由
ITパスポートは取得すれば履歴書やESに記載でき、就活でもアピール材料になります。
近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れから、ほとんどの企業でITを活用しており、IT知識の必要性が高まっています。
しかし、IT業界やIT関連職種を志望する場合、ITパスポートの範囲に含まれる基礎知識は「当たり前レベル」と見なされるケースもあるため持っていないと土俵に上がれないこともあるぐらいです。
逆に言えば、合格していることで「ITへの関心・適性がある」と判断され、基本情報技術者など上位資格の学習意欲を示す点でも好印象です。
このように、ITパスポートで学んだ幅広いビジネス・IT知識は、就活シーンでの会話のネタや思考の下地にもなります。

ITパスポートの具体的な活用方法
ここからはITパスポートを取得して就活に活かすための具体的な方法について解説します。
- 履歴書・ESへの記載方法
- 面接でのアピールポイント
履歴書・ESへの記載方法
ITパスポートを取得したら、まずは履歴書の「免許・資格」欄に記載しましょう。
記載例は「ITパスポート(IPA認定)取得」などで、合格年月も合わせて書くと丁寧です。

これにより「ITの基礎知識がある」ことを文面で示せます。資格欄に書くだけでなく、自己PR欄などでも「IT学習に積極的」という姿勢をアピールできます。
公的には難易度が高い資格ではありませんが、もっていて当たり前の水準とされがちなIT知識をクリアしているという実績は、「積極的に学ぶ意欲がある」というプラス評価につながります。
面接でのアピールポイント
面接では「ITパスポート合格までの努力」を具体例に交えましょう。
例えば、「ITに興味を持ったきっかけ」や「合格のために頑張った過程」を話すと、IT業界への関心や向上心を示せます。
また、ニュースや時事問題を聞かれた際はIT視点から考察を加えると好印象です。
志望業界のニュースをIT視点で語ることで面接官から評価が高まります。
さらに、ITパスポートで学んだ情報セキュリティやコンプライアンスの知識は、ITを扱う職種だけでなく一般事務の仕事でも役立ちます。
面接官には「IT基礎力を活かして入社後すぐに貢献できる」という意欲を伝えられるでしょう。

ITパスポート勉強ロードマップ
ITパスポートの勉強の流れは以下のとおりです。
- 公式サイトで概要確認:IPA公式サイトには試験範囲やサンプル問題があります。まずは内容を把握しましょう。
- 参考書・教材を活用:上記の定番テキストを1冊選びます。章末の問題演習や解説を丁寧に読み、基本知識を固めます。
- オンライン過去問演習:「ITパスポート過去問道場」などで実戦練習しましょう。定期的に模試形式で時間を測り、間違えた分野を復習します。
学習の始め方と参考書選び
まずはIPA公式サイトで試験概要(出題範囲や申込要領)を確認しましょう。
そのうえで、入門者向けのテキストを選びます。定評のある参考書には『スッキリわかるITパスポート』や『いちばんやさしいITパスポート』シリーズなどがあります。
学習スタイルに合わせて、通勤・通学中にスマホで解ける「ITパスポート過去問道場」などのWebサービスも有効です。
まずは公式サイトで最新の情報をチェックし、目標試験日から逆算して計画を立ててみましょう。
学習スケジュール例
学習計画は3~4ヶ月程度を目安に組むとよいでしょう。
例えば、最初の1~2ヶ月でテキストを読み込みながら基礎を学び、残りの期間で過去問演習に集中する方法があります。
朝・晩に30分ずつテキストを読み、休日にまとまった時間で問題集を解くなど、習慣化がポイントです。

進捗が心配な場合は通信講座を利用する手もあります。日々の学習記録をつけて、達成度に応じて計画を微調整しましょう。
よくある質問(FAQ)
ITパスポートの取得でよくある質問をまとめました。
試験の難易度・合格率はどれくらい?
ITパスポートは他の国家試験に比べて難易度はそれほど高くありません。
合格率は近年50%前後で推移しており、2022年の合格率は約52.8%でした。
入門レベルの試験のため、基礎からしっかり学べば合格は十分可能です。大切なのは幅広い分野をバランスよく学習することで、足切りで不合格にならないようにしましょう。
勉強時間の目安は?
IT未経験者で約180時間、すでに基礎知識がある人でも100~150時間程度の学習が目安とされています。
1日2時間ペースでも数ヶ月かかる計算なので、長期的なスケジュールでコツコツ取り組みましょう。
ただし人によって理解度は異なるため、過去問を解いてみて苦手分野を把握し、効率的に対策を進めるのがポイントです。
ITパスポートは履歴書に書いてもいい?
もちろん書けます。前述のとおり、資格欄に「ITパスポート(IPA認定)」と記載すれば、間接的にITへの興味・適性を示せます。
実際、「取得すると履歴書・ESに書ける」と解説されており、記載することで就活上のメリットが生まれます。ただし、「難易度が易しいから有利にならない」という声もあるため、自分の努力や今後の学習意欲を合わせてアピールすることが大切です。
IT業界以外でも役に立つ?
はい。近年は多くの業界・職種でデジタル技術の活用が進んでおり、ITパスポートで学ぶ基礎知識が役立ちます。
実際、「DXが進む中、ITパスポートはビジネス系資格」と例えられ、IT業界以外の企業でも求められる素養とされています。
例えば、一般事務職でも、社内システムの操作や情報管理・セキュリティの知識が必要です。他業種志望の方は「ITパスポート合格で幅広い基礎力を習得」と説明すると、マイナスにはなりません。